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【カメラの基礎】フラッシュ・ストロボの基本と使い方

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ストロボで雪を止める

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「フラッシュを使うと、なんだか顔がのっぺりして不自然に写ってしまう…」

「暗いからフラッシュを焚いたのに、背景が真っ暗になってしまった」

カメラに内蔵されているフラッシュ(ストロボ)に対して、そんな苦手意識を持っている方は少なくないのではないでしょうか。そのため、暗い場所でもISO感度を上げて無理やり撮影している、なんてこともあるかもしれません。

しかし、フラッシュを使いこなすことができれば暗い場所での撮影でも思い通りに光をコントロールできます。これはかなり重要で、表現できる幅が格段に広がります。

今回は、そんなフラッシュの基本について解説していきます。

1. フラッシュ(ストロボ)とは?

フラッシュ(ストロボ)とは、カメラで撮影する際に瞬間的に強い光を発する人工の光源装置のことです。

「ストロボ」は元々アメリカの企業の登録商標ですが、現在ではフラッシュと同義で使われることがほとんどです。

主な役割は、光量が足りない室内や夜間などの暗いシーンで光を補うことですが、それ以外にも「光と影をコントロールする」という、より高度で重要な役割を担っています。

2. 内蔵フラッシュと外付けストロボの違い

フラッシュには、カメラ本体に組み込まれている「内蔵フラッシュ」と、カメラの上部(ホットシュー)に取り付けて使う「外付けストロボ(クリップオンストロボ)」の2種類があります。この2つの違いを理解できれば、状況にあわせて使い分けることができます。

内蔵フラッシュ(ポップアップストロボ)

カメラの上部に内蔵されているフラッシュです。

  • メリット
    • 手軽でいつでも使える。追加の機材やバッテリーが不要。
  • デメリット
    • 光が弱い(光量が小さい):遠くの被写体までは光が届きません。
    • 光が硬く、不自然になりがち:被写体を正面から直接照らすため、影が強く出てしまい、のっぺりとした平坦な写りになります。
    • 赤目現象が起きやすい:レンズと発光部の距離が近いため、光が網膜に反射して目が赤く写る現象が起きやすいです。
    • 光の向きを変えられない:常に正面にしか発光できません。

外付けストロボ

カメラとは別で購入し、ホットシューに取り付けて使用するストロボです。

  • メリット
    • 光が強い(大光量):内蔵フラッシュの何倍ものパワーがあり、遠くの被写体や広い範囲を照らせます。
    • 光の向きを自由に変えられる:これが最大のメリットです。後述する「バウンス撮影」で、自然で柔らかな光を作り出せます。
    • 赤目現象が起きにくい:レンズから発光部が離れているため、赤目現象のリスクが大幅に減少します。
    • 表現の幅が広がる:カメラから離して(オフカメラ)、好きな方向から光を当てるなど、よりクリエイティブな撮影が可能です。
  • デメリット
    • 別途購入する必要があり、高価なものも多い。
    • カメラが大きく、重くなる。持ち運ぶ機材が増える。

最近はAmazonで安いストロボを買えるようになりましたね!私もNEEWERというメーカーのストロボを使用しています。5000円くらいで買えて、問題なく使用できているのでオススメです。

3. フラッシュは「暗い時だけ」使うものではない

フラッシュの活躍の場は、暗い場所だけではありません。むしろ、光が十分にある日中の屋外でこそ、その真価を発揮するシーンがあります。

活用術①:逆光時の人物撮影(日中シンクロ)

晴れた日に逆光で人物を撮ると、背景は綺麗なのに人物の顔が暗く影になってしまうことがありますよね。そんな時、強制的にフラッシュを発光させることで、人物の顔に出来た影を明るく起こすことができます。これを「日中シンクロ」や「フィルインフラッシュ」と呼びます。背景の明るさを活かしつつ、人物の表情も明るく写すためのテクニックです。

活用術②:キャッチライトを入れる

人物の瞳の中に、キラリと光の点が写っている写真を見たことがあると思います。これを「キャッチライト」と呼びます。フラッシュを使うと、このキャッチライトを意図的に入れることができ、人物の表情をより生き生きと、魅力的に見せる効果があります。

4. 【ステップアップ】バウンス撮影に挑戦しよう

外付けストロボを手に入れたら、ぜひ挑戦してほしいのが「バウンス撮影」です。 これは、ストロボの発光部を被写体に直接向けるのではなく、天井や壁に向けて発光させるテクニックです。

人それぞれの撮影スタイルによりますが、私自身は壁や天井でバウンスさせたりレフ板を使って反射させたりすることが多いです。

天井で拡散した光が被写体全体を包み込むため強い影がでず自然な仕上がりになります。天井が白ければどこでも使える便利技です。

5. 応用編:ストロボで雪を止めて写す

フラッシュは、降っている雪を撮影する際にも非常に効果的です。

ストロボで雪を止める
栃木県の湯西川ダムにて。雪がしんしんと降る中ストロボを使用して撮影。ISO:2000 F8 1/100秒

しんしんと雪が降る夜、フラッシュを使って撮影すると、雪の結晶が光に反射して、丸い光の玉のように写ります。これは「玉ボケ」と呼ばれる現象で、この効果を意図的に利用することで、非常に幻想的でキラキラした雰囲気の雪景色を撮ることができるのです。

雪を玉ボケにするコツ

  • 暗い背景を選ぶ:背景が暗い方が、光る雪がより際立ちます。夜の街灯やイルミネーションなどを背景に入れるのもおすすめです。
  • フラッシュを強制発光させる:カメラのフラッシュモードを「強制発光」に設定します。
  • 望遠気味で撮る:少し望遠側(ズームする)で撮影すると、玉ボケが大きくなりやすいです。
  • 外付けストロボをカメラから離す(オフカメラ):可能であれば、外付けストロボをカメラから少し離して(オフカメラライティング)、横や斜め上から光を当てると、より立体的で美しい玉ボケが撮れます。
ISO:100 F4.5 1/200秒 200mm

まとめ:フラッシュを使いこなして光をコントロールしよう

今回は、フラッシュについて解説しました。

  • 内蔵フラッシュは手軽だが、光が硬く不自然になりがち。
  • 外付けストロボは、大光量で光の向きを変えられるため、表現の幅が大きく広がる。
  • フラッシュは、逆光時の人物撮影(日中シンクロ)など、明るい場所でも活躍する。
  • 外付けストロボの「バウンス撮影」をマスターすれば、プロのような自然な光を作り出せる。

フラッシュは、光が足りない時に仕方なく使うものではなく、自分の撮りたいイメージに合わせて光を積極的に作り出し、デザインしていくための有力な選択肢です。まずはカメラの内蔵フラッシュで日中シンクロを試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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youhei

◆写真歴8年の週末フォトグラファー
◆キャンプ歴12年のアウトドア好き
風景写真やネイチャーフォトを撮影しています。
日本各地の撮影地情報や使用したカメラのレビューを発信します。

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