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これまでに学んだ「絞り」や「シャッタースピード」を駆使すれば、カメラは自動的に「適正露出」つまり、ちょうど良い明るさの写真を撮ってくれます。
しかし、こんな経験はありませんか?
- 真っ白な雪景色を撮ったら、なぜかグレーっぽく暗く写ってしまった。
- 逆光で人物を撮ったら、顔が真っ黒につぶれてしまった。
- 夕焼けの感動的な赤色を撮ったのに、なんだか白っぽく写ってしまった。
これはカメラの故障ではありません。カメラの露出計が「これが適正な明るさですよ」と判断した結果なのですが、必ずしもそれがあなたの撮りたいイメージと一致するとは限らないのです。
この「カメラが考える明るさ」と「あなたのイメージする明るさ」のズレを埋めるための強力なツールが、今回解説する「露出補正」です。
目次
1. 露出補正とは何か?
露出補正とは、ひと言でいえば「カメラが自動で設定した露出(明るさ)を、撮影者の意図に合わせて手動で微調整する機能」のことです。
ほとんどのカメラには「±」と書かれたボタンや、太陽のようなマークのついたダイヤルがあります。これが露出補正の操作部です。
- プラス(+)側に補正する:カメラが設定した明るさよりも、写真を明るくする。
- マイナス(-)側に補正する:カメラが設定した明るさよりも、写真を暗くする。
補正量は「+0.3, +0.7, +1.0」や「-0.3, -0.7, -1.0」といった段階で調整できます。(数値はEVという単位で表されます) 絞り優先モード(A/Av)やシャッタースピード優先モード(S/Tv)など、カメラが露出の一部を自動で決めてくれるモードで非常に有効な機能です。
2. なぜ露出補正が必要なのか?
カメラの露出計は、画面全体の明るさが「平均的な明るさ(グレー)」になるように調整しようとする性質があります。そのため、画面内に極端に明るいものや暗いものがあると、判断を誤ってしまうことがあるのです。
- 画面全体が白い(雪景色など) → カメラは「明るすぎる!」と判断し、自動的に暗く写そうとする。
- 画面全体が黒い(黒い服など) → カメラは「暗すぎる!」と判断し、自動的に明るく写そうとする。
このようなカメラのクセを理解し、「カメラはこう判断するだろうから、逆の補正をしておこう」と先回りするのが、露出補正を使いこなすコツです。
3. 露出補正を効果的に使う方法(シーン別活用術)
では、具体的にどんな場面で露出補正を使えば良いのでしょうか。代表的なシーンをご紹介します。
【プラス補正】が有効なシーン(写真を明るくしたい時)
- ふんわり優しい雰囲気(ハイキー)にしたい ポートレートや花、料理などを、明るく、やわらかい印象に仕上げたい時に使います。あえて少し露出オーバー気味にすることで、透明感のある写真になります。
- 白い被写体を「白く」写したい 雪景色や白い砂浜、白い服を着た人物などを撮るシーンです。カメラが暗く写してしまう分をプラス補正で補い、見たままの白さを表現します。
- 逆光で被写体の顔などを明るくしたい 太陽を背にした人物を撮ると、背景の明るさに引っ張られて人物の顔が黒くつぶれてしまいがちです。そんな時、思い切ってプラス補正をすることで、人物の表情を明るく写し出すことができます。
【マイナス補正】が有効なシーン(写真を暗くしたい時)
- 重厚で引き締まった雰囲気(ローキー)にしたい 写真全体を暗めにすることで、被写体の存在感や重厚感、クールな印象を際立たせることができます。男性ポートレートや金属の質感などを表現するのに有効です。
- 黒い被写体を「黒く」写したい 黒い服や黒いペットなどを撮ると、カメラが明るくしようとしてしまい、黒が締まらずグレーっぽく写ることがあります。マイナス補正で光を抑え、質感を伴った「黒」を表現します。
- 夕焼けや夜景の色を濃く表現したい 夕焼けの空や夜景を撮る際、カメラの自動露出では明るく写りすぎて、空が白っぽくなったり、雰囲気が損なわれたりすることがあります。少しマイナス補正をすることで、空の色がより深く、濃くなり、光が際立ちます。
【写真挿入指示】 同じシーンで露出補正の値だけを変えた比較写真を3枚(「-1.0」「補正なし(0)」「+1.0」)並べて掲載してください。被写体は、逆光の人物や、白い花などが効果的です。 それぞれの写真の下に「露出補正 -1.0」「露出補正 0」「露出補正 +1.0」といったキャプションを付け、「プラスにすると明るくふんわり、マイナスにすると暗く引き締まった印象になるのが分かります」というような説明文を添えてください。
まとめ:あなたの「撮りたい」を叶える最後のひと押し
露出補正は、カメラ任せの「記録」から、自分の意志を反映させた「表現」へとステップアップするための、非常に重要で便利な機能です。
- 露出補正とは、カメラが決めた明るさを手動で微調整する機能。
- 明るくしたい(ふんわり、逆光、白い被写体)ならプラス(+)に補正。
- 暗くしたい(引き締める、夜景、黒い被写体)ならマイナス(-)に補正。
- まずは**±0.7EV**あたりから試してみるのがおすすめ。
撮影して液晶モニターで確認し、「ちょっとイメージと違うな」と感じたら、すぐに露出補正ダイヤルを操作する。この一手間を加えるだけで、あなたの写真は劇的に変わります。
写真の「明るさ」をマスターした次は、写真の「色」を操る「ホワイトバランス」について学んでいきましょう。