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「素晴らしい景色を撮影したはずなのにピンボケしていた」
「走り回る子供の写真を撮りたかったがピントを合わせられなかった」
なんて、残念な経験をしたことがないでしょうか?絶好のシャッターチャンスを逃してしまうと本当に残念な気持ちになりますよね。色味や露出(明るさ)は後から何とか修正することもできますが、ピンボケばかりはどうにもなりません。
写真において「ピント合わせ」は、明るさや構図と並んで、最も重要な基本技術の一つです。
ピントが合っていない、いわゆる「ピンボケ」写真は、多くの場合、残念ながら失敗写真となってしまいます。せっかくのシャッターチャンスを逃さないためにも、カメラの自動ピント合わせ機能である「オートフォーカス(AF)」をしっかりとマスターしましょう。
今回は、このAFの基本的な仕組みから、状況に応じた使い分けのコツまでを詳しく解説していきます。
目次
1. なぜピント合わせが重要なのか?
ピントとは、写真の中で最もシャープに、くっきりと写っている部分のこと。人間の目は、写真の中でピントが合っている部分に自然と引き寄せられます。つまり、どこにピントを合わせるかによって、写真を見た人がどこに注目するかが決まるのです。
あなたが「この写真で何を見せたいのか」という主題を、明確に伝えるための最も基本的な手段がピント合わせなのです。
2. AFの基本!2つの「AFモード」を使い分けよう
オートフォーカスには、大きく分けて「被写体を追いかけるか、追いかけないか」という2つの動作モードがあります。お使いのカメラメーカーによって呼び方が異なりますが、役割は同じです。
- AF-S(シングルAF) / One-Shot AF(Canon) シャッターボタンを半押しすると、一度だけピントを合わせ、そのままピント位置を固定(ロック)するモードです。
- 得意な被写体:風景、建物、テーブルの上の静物、止まっている人物など、動きのない被写体。
- 使い方:被写体にピントを合わせ(半押し)→ ピントを固定したまま構図を変える(フレーミング)→ シャッターを全押しする、という「フォーカスロック」が簡単に行えます。
- AF-C(コンティニュアスAF) / AI Servo AF(Canon) シャッターボタンを半押ししている間、被写体が動いても、その動きに合わせてピントを追いかけ続けるモードです。
- 得意な被写体:走り回る子どもやペット、スポーツ、電車、鳥など、動きのある被写体。
- 使い方:撮りたい被写体を捉えながらシャッターを半押しし、ピントが合ったまま追いかけ、ここぞというタイミングで全押しします。
まずは、「止まっているものはAF-S」「動いているものはAF-C」と覚えて、撮影前に切り替える習慣をつけましょう。
3. どこに合わせる?「AFエリアモード」を使い分けよう
AFモードで「どう合わせるか」を決めたら、次は「どこに合わせるか」を決めるAFエリアモードを選びます。これも大きく2種類を使い分けるのが基本です。
- 自動選択AF(オートエリアAFなど) 画面内のどこにピントを合わせるかを、カメラが自動で判断するモードです。多くの場合、手前にあるものや、コントラストが高いものにピントが合います。
- メリット:カメラ任せで簡単。とりあえず何かを撮りたいスナップ撮影などでは便利。
- デメリット:「ここに合わせたい」という撮影者の意図とは違う場所にピントが合ってしまうことがあります。例えば、手前の柵にピントが合って、奥にいる人物がボケてしまう、といったケースです。
- 任意選択AF(シングルポイントAF / 1点AFなど) 画面内に表示される小さな四角い枠(測距点)を、自分で十字キーやスティックで動かし、ピントを合わせたい場所をピンポイントで指定するモードです。
- メリット:「人物の瞳」「花の一輪」など、撮影者の意図通りに正確なピント合わせができます。写真のクオリティを上げたいなら、このモードを基本にしましょう。
- デメリット:被写体が動く場合は、測距点を自分で追いかける必要があります。
「自動選択」は便利な機能ですが、意図した通りの写真を撮るためには、基本は「任意選択(1点AF)」を使い、自分でピント位置を決める練習をすることが上達への近道です。
4. AFが苦手なシーンもある
非常に高性能なAFですが、万能ではありません。以下のようなシーンでは、ピントが合いにくく、「ジーコ、ジーコ」とレンズが迷ってしまうことがあります。
- コントラストが低い被写体(例:真っ白な壁、単色の服、霧の中)
- 暗い場所
- 繰り返しパターン(例:ビルの窓、細かいストライプ模様)
- 金網やガラスの向こう側
- 極端に速く、不規則に動く被写体
このような場合は、一時的にマニュアルフォーカス(MF)に切り替えたり、被写体の中で少しでもコントラストが高いエッジの部分を狙ったりといった工夫が必要になります。
5. 【ステップアップ】親指AFで撮影がもっと快適に
少し上級者向けのテクニックですが、「親指AF(バックボタンAF)」という便利な機能も覚えておくと良いでしょう。 これは、シャッターボタンの半押しからAF機能を切り離し、カメラの背面にある「AF-ON」ボタンなどを親指で押した時だけAFが作動するように設定する機能です。
- メリット
- ピント合わせ(親指)とシャッターを切る(人差し指)という操作を完全に分離できる。
- AF-Cモードに設定しておけば、親指でボタンを押している間は被写体を追いかけ(AF-C)、ボタンを離せばピントが固定される(AF-Sのように使える)ため、AFモードをいちいち切り替える必要がなくなります。
慣れるととても効率的に撮影が進められるようになるのでオススメです。
まとめ:AFをマスターしてシャッターチャンスをものにしよう
今回は「ピント合わせ」について解説しました。
- ピンボケは失敗の元。AFをマスターして、シャープな写真を撮ろう。
- 止まっている被写体にはAF-S、動く被写体にはAF-C。
- 意図を反映させるなら、カメラ任せの「自動選択」より「任意選択(1点AF)」。
- AFが苦手なシーンがあることも知っておこう。
- 慣れてきたら「親指AF」にも挑戦してみよう。
オートフォーカスは、あなたが「これだ!」と思った瞬間を、意図通りに切り取るための便利機能です。それぞれのモードの特性を理解し、被写体や状況に応じて瞬時に使い分けられるよう、普段から意識して撮影に臨んでみましょう。